川越祭の最大の特色であり、見どころは、江戸と川越の職人によって完成した
華麗な江戸系川越型山車が、数多く登場することである。
山車の構造はいわゆる二層の鉾と人形からなる江戸型。
四ツ車あるいは三ツ車をもった台座(せいご台)の上に二重のあんどん(鉾)を組む。
上層に出る部分と人形はそれぞれ小田巻による迫り上げ式エレベーター構造で、これは城の門をくぐる
ために伸び縮みできるようにした仕掛けだ。
鉾の前に唐破風か欄間を乗せた舞台(囃子台)があり、多くの山車はせいご台の上で前後左右に三六〇度の
水平回転する回り舞台になっている。
昔からの山車は、黒や赤の漆で塗ってあり、金箔も使われている。
勾欄や腰まわりの彫刻はけやき材ではめこみ式。
精巧な仕上りは美事。
さらに上、下の鉾には金銀の彩りもあざやかな刺しゅう仕上げの幕を張る。
これら幕類も彫刻と同じように、山車の主題である人形にちなんだデザイン仕上げとなっているものが多い。
同じように見える山車でも、よく見ると微妙な違いがあって面白い。
どの山車にも自慢のポイントがあり個性があるわけだ。
江戸系川越型山車の特徴をジックリと鑑賞していただきたい。